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Cマウント規格・伝送方式・レンズ選定の技術解説  フランジバック・伝送方式・焦点距離・イメージサークル・解像力 

| Cマウント/CSマウントの違い | 伝送信号方式 | 焦点距離・WD | レンズ・素子サイズ・ケラレ |
Cマウントカメラ・レンズを選ぶ際によく出てくる規格・用語を、図解を交えてまとめた技術解説ページです。マウント規格(C/CS)の違い、伝送方式の特徴、焦点距離と視野範囲の関係、イメージサークル・解像力によるレンズ選定を、製品選びに役立つ範囲でわかりやすく解説します。

 Cマウント・CSマウントの規格

① ネジ規格は同じ、フランジバックだけが違う
CマウントとCSマウントは、レンズの取付ネジ部(内径25.4mm=1インチ・32山/インチ、ネジピッチ0.794mm。規格名「1-32 UN 2A」)が共通です。違うのはフランジバック(レンズの取付面からカメラの撮像素子面までの距離)で、Cマウントは17.526mm、CSマウントは12.5mmと、CSマウントの方がちょうど5mm短い規格です。ネジが同じなので機械的にはどちらにも回し込めますが、フランジバックが合わないと正しく結像しません。CSマウントは取付面がセンサーに近い分、レンズを簡素・安価に設計しやすく、監視カメラや低コストの組込み用途で広く使われています。

CマウントとCSマウント

② CSマウントカメラにCマウントレンズを使うには5mm変換リングが必要
CSマウントカメラ(フランジバック12.5mm)にCマウントレンズ(同17.526mm)を取り付けるには、厚さ5mmのC/CS変換リング(スペーサーリング)をレンズとカメラの間に挟みます。このリングで5mmの差を補正すると、Cマウントレンズを無限遠まで正しくピント合わせできます。多くのCSマウントカメラには、この5mmリングが標準で付属しています。変換リングは光学素子を含まない単なる金属スペーサーなので、画質には影響しません。

Cマウント・CSマウント 変換 5mmスペーサー

③ CマウントカメラにCSマウントレンズは使用不可
逆方向、つまりCマウントカメラにCSマウントレンズを付けることはできません。CSマウントレンズはフランジバックが5mm短いため、Cマウントカメラに付けると焦点がセンサーの手前に来てしまい、スペーサーでは補正できずピントが合いません。ネジは回し込めてしまうため、規格を取り違えたまま「ピントが合わない」というトラブルが起こりがちです。レンズ・カメラそれぞれのマウント表記(C/CS)を必ず確認してから組み合わせてください。
④ C/CSマウントが対応できるセンサーサイズの上限
C/CSマウントはネジ内径が1インチ(25.4mm)のため、実用上カバーできる撮像素子サイズは1.1型(対角約17.6mm)程度が上限とされています。1/3型〜1型のセンサーで使われることが多く、対応するイメージサークルはおおよそ直径5〜22mmの範囲です。これより大きなAPS-C・フルサイズ級のセンサーには、Cマウントより開口の大きいFマウントやTFLマウントなど別規格が必要になります。当社で扱うCマウントカメラ・レンズはいずれもこの範囲に収まっています。

 USB・HDMI・HD-SDI・アナログの伝送方式

カメラの映像をどの経路で受け取るか(伝送方式)は、接続先がPCかモニターか、伝送距離、リアルタイム性で選びます。主な4方式の特徴を一覧で整理します。
伝送方式主な接続先伝送距離の目安向いている用途
USB 2.0 / 3.0PC数m程度ソフトで画像処理・記録。検査・研究記録。3.0は高速・高解像
HDMIモニター・TV〜5m程度PCを介さずモニター表示。手軽な高精細出力
HD-SDIモニター(業務用)数十m〜100m程度同軸1本で長距離伝送。現場のリアルタイム観察
アナログモニター・既存機器用途による超小型・高感度。既存アナログ環境への組込み
① USB2.0/3.0:PC直結でソフトウェア制御しやすい
USBカメラはPCに直接つないで画像を取得・記録できる、最も手軽な方式です。USB2.0は省電力・低コストなモデルが多く、USB3.0は転送帯域が広い(5Gbps)ため、高フレームレート・高解像度の撮影に向きます。ケーブル長は数m程度に制限されるため、PCとカメラが近い卓上・装置内の用途に適します。付属ソフトでの画像保存や計測、外部プログラムからの制御がしやすく、検査・研究記録で広く使われています。
② HDMI/HD-SDI:モニターへの高精細映像伝送に強い
HDMIは民生用モニター・テレビにそのまま挿せる手軽さが特長で、PCを介さず高精細な映像を映せます。HD-SDIは放送・業務用途の伝送規格で、同軸ケーブル1本で数十m〜100m程度の長距離伝送が可能です。配線を引き回す現場でのリアルタイム観察や、モニター単独表示に向きます。いずれもPC不要で「見せる」ことに強い方式です。
③ アナログTVカメラ:超小型・軽量・高感度なモデルが残る理由
アナログ方式は伝送速度や解像度でデジタルに見劣りしますが、回路がシンプルなため超小型・軽量化しやすく、暗所での高感度に優れたモデルが多い点が利点です。既存のアナログ機器・モニター環境にそのまま組み込みたい場合や、設置スペースが極端に限られる用途では、現在もアナログTVカメラが選ばれています。

 焦点距離・視野範囲・ワーキングディスタンス

① 焦点距離が視野範囲と倍率を決める
レンズの焦点距離(例:8mm・16mm・25mm・50mm)は、写る範囲=視野範囲(FOV)と倍率を決める基本パラメータです。焦点距離が短いほど広角・低倍率(広い範囲を近くから写す)、長いほど狭角・高倍率(狭い範囲を大きく写す)になります。同じ位置から撮っても、8mmでは机の全体、50mmでは一部分だけ、というイメージです。市販のCマウントレンズは6・8・12・16・25・35・50mmなどの焦点距離が一般的です。

レンズの焦点距離と視野範囲

② 視野範囲は「焦点距離・素子サイズ・WD」で決まる
実際の視野範囲は、焦点距離だけでなくカメラの素子サイズワーキングディスタンス(WD=レンズ先端から対象までの距離)の3つで決まります。目安として次の関係が成り立ちます。
視野範囲(FOV)= 素子サイズ × WD ÷ 焦点距離
この式から、必要な焦点距離は「焦点距離 = 素子サイズ × WD ÷ 撮りたい視野範囲」で概算できます。例えば1/2型センサー(横6.4mm)で、WD400mm・横視野90mmを狙うなら、焦点距離=6.4×400÷90≒28mm(実際は市販の25mmを選び、WDを微調整)となります。同じレンズでも素子サイズが小さいほど写る範囲は狭くなる点にも注意します。
③ 「作動距離・WD・ワーキングディスタンス」とは
作動距離とは ピントが合った状態(合焦時)において、レンズの先端から撮影対象(被写体)の表面までの物理都的な「隙間」の距離を言います。照明装置のスペースの確保や対象物の突起物・立体構造に対する余裕等、工場ラインなど産業分野ではレンズを選ぶ際には配慮が必要になります。

ワーキングディスタンス・作動距離

④ 単焦点とバリフォーカル(ズーム)の使い分け
撮影距離・視野が固定なら、単焦点レンズが光学設計をシンプルにでき、同価格帯なら解像力・周辺画質に優れます。設置後に視野を現場で微調整したい場合は、焦点距離を可変にできるバリフォーカル(ズーム)レンズが便利です。素子サイズに合わせて倍率調整できるズームアダプターと組み合わせれば、幅広いカメラで最適な視野を得られます。

 イメージサークル・画素数・解像力とレンズ選定

① イメージサークルとケラレ
レンズが結像できる円形の範囲をイメージサークルと呼びます。カメラの撮像素子(長方形)が、このイメージサークルの中に収まっている必要があります。イメージサークルが素子サイズより小さいと、はみ出した四隅が暗く欠ける「ケラレ(ヴィネッティング)」が起きます。1/3型・1/2型・2/3型・1型などの素子サイズに対し、同等以上のイメージサークルを持つレンズを選ぶのが基本です。逆に大き過ぎても実害はありませんが、レンズが大型・高価になり、サークルの狭い範囲を撮像するため、想定より拡大率が高くなります。

イメージサークルとセンサーサイズの関係・画像のケラレについて

② 画素数とレンズの解像力(メガピクセル対応)の関係
カメラの画素数が多いほど、1画素あたりのサイズ(ピクセルピッチ)は小さくなります。ピクセルの細かい高画素カメラでは、レンズの解像力(1mmあたり区別できる線の本数:lp/mm)が足りないとセンサー性能を活かせず画像がにじみます。高画素センサー向けに高い解像力を持つレンズは「メガピクセル対応レンズ」「高解像度レンズ」と呼ばれます。画素ピッチの細かいカメラほど、対応画素数(○メガピクセル対応)を満たすレンズが必要です。逆に低画素カメラでは、レンズによる画質差は目立ちにくくなります。
③ 明るさ(F値)と被写界深度
レンズの明るさはF値で表し、F値が小さいほど多くの光を取り込めて、暗い環境や高速シャッターに有利です。一方、F値を小さく(開放側に)するとピントの合う奥行き(被写界深度)が浅くなり、F値を大きく(絞る)と被写界深度は深くなりますが、暗くなり、絞りすぎると回折で解像力が落ちます。凹凸のある対象や厚みのあるワークを撮る場合は、必要な被写界深度が得られるF値かも確認します。
④ 選定の流れ(まとめ)
①カメラの撮像素子サイズ画素数を決める → ②撮りたい範囲と設置距離から焦点距離を選ぶ → ③素子サイズと同等以上のイメージサークルを持つレンズにする → ④画素数に見合う解像力(メガピクセル対応)か確認 → ⑤必要な明るさ(F値)・被写界深度を満たすか確認、の順で選ぶと失敗が少なくなります。マウント規格(C/CS)の一致も忘れずに。組み合わせに迷う場合は、撮影対象・距離・目的をお知らせいただければ最適な構成をご提案します。デモ機の無償貸し出しもご利用いただけます。
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